白木の器作り・その3「私が使っている塗料のこと」

秋岡芳夫の盟友、時松辰夫(アトリエときデザイン研究所代表)に師事した木工家・有城利博さんが、木の器の作り方をレクチャーする連載企画。今回は有城さんがふだん使っている塗料の種類を紹介しています。

文: 有城利博(木工家・ありしろ道具店代表)

平皿

こんにちは。ありしろ道具店の有城利博です。

ここ数日は、静岡・修善寺温泉の旅館に納品する平皿の塗装に取り組んでいます。材は御殿場のカエデ。身近な木々で作った器を身近な所で使っていただくというのは理想としている仕事で、本当にやりがいがあります。塗装の仕事中という事で、今回の記事は使用している塗料について書いてみます。

(1)プレポリマー PS No.1000(2)エステロンカスタムDXクリヤー(3)エステロンカスタムDX全艶消クリヤー(4)PS-NYシンナー

私が「木固めエース普及会オンラインショップ」を通じて購入している塗料は、以下の4製品です。

(1)プレポリマー PS No.1000
(2)エステロンカスタムDXクリヤー
(3)エステロンカスタムDX全艶消クリヤー
(4)PS-NYシンナー

ウレタン塗装前の木固め剤としては、「プレポリマーPS No.1000」を購入しています。スギやヒノキの間伐材など針葉樹を使うことが多いという理由と、単価(コスト)の安さを考慮しています。なお、広葉樹を木固めする時にもNo.1000を使用していますが、いまのところ問題なく使用できています。

私はプレポリマー浸透後の目止め作業を割愛していますが、導管の大きな材を使用した時に仕上がりをより平滑にしたい場合は、目止め剤の使用をおすすめします。夏場の目止め作業は乾燥が早いためなかなか苦労しますが…。

ウレタン塗料は、中塗り用に「エステロンカスタムDXクリヤー」を、仕上げ用には「DX全艶消クリヤー」を購入しています。以前は仕上げに7分消クリヤーも使用していましたが、最近は艶(つや)消しを好まれるお客さまが多いので全艶消に統一しています。全艶消の主剤はよく撹拌してから使用しないと艶が変わってきてしまいますので、はじめて使う方は注意が必要です。なお、プレポリマー、エステロンカスタムとも、塗装不良を防ぐために純正のPS-NYシンナーで希釈をしています。

しゃもじと料理へら

仕上げの塗料としては、ウレタン塗料をメインにしていますが、商品によっては無塗装のものもあります。たとえばヒノキ材のしゃもじや料理へらは無塗装のままでも、使ううちにいい感じに表情が育ってきています。

くるみオイル

お客さまの要望でオイルを塗ることもあります。また、体験やワークショップなどではその場で仕上げられるオイル仕上げにしています。その時は食用で乾性油のくるみ油を使用しています。

拭き漆の器

最近では拭き漆にも挑戦しています。漆に関しては経験が絶対的に少ないので、今は色々な産地や漆販売店のものを試しています。また、近年、木の器の仕上げにガラスコーティングを使用する例が増えて来たように感じます。そちらも関心があるので近いうちに使用感をレポートできればと考えています。

次回のブログではスプレーガンやその他の塗装用道具のことをテーマに書く予定です。

著者の紹介

有城さん

有城利博(ありしろ・としひろ)

木工家 ありしろ道具店代表

1974年福井県生まれ。東北大学文学部卒業後、新潟県で家具製作に従事。2005年に伊豆へ移住。NPO法人伊豆森林夢巧房研究所で、木工デザイナー・時松辰夫氏に木の器作りの手ほどきを受ける。2011年にありしろ道具店を設立。地元の旅館や飲食店向けに業務用の食器やテーブルウェアの製作を行う。
ブログ:ありしろ道具店

※有城さんが白木の器に使用している木工塗料は、「木固めエース普及会オンラインショップ」で購入できます。

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