店主からのメッセージ
“コロナ”による休廊後の再開第2弾は佐藤智洋さん。東京では初の個展です(今まで何度かグループ展には参加して頂いていましたが)。私が工房をお訪ねした日、展示コーナーには定番の器たちが見やすく置かれ、漆風呂の中には、上塗りを待つコップ類が整然と並んでいました。
「修業時代に漆の精製をしながら、漆そのものの半透明な飴色をとても美しいと思っていた。」その魅力を、自身の器に現そうと選んだのが『木地溜(きじため)』。半透明な漆の奥に、うっすらと木目が見える塗り方です。使う色といえば黒と潤(うるみ)のみ。器だけ見ると地味な印象の佐藤作品ですが、だからこそ、盛るものによって雰囲気がガラッと変わる妙味があります。料理を引き立てる器とも言えましょう。
今展では、木地も自ら作る皿やスプーン等もご紹介。こんなご時世ではありますが、ご高覧いただければ誠にありがたいと存じます。なお、会期中の水曜日は「予約の日」です。前日までにお電話をください。他のお客様と重ならないように、時間などの調整をさせていただいて、お待ちします。(高森寛子)
開催場所
スペースたかもり 東京都文京区小石川5-3-15 一幸庵ビル302
東京メトロ・丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩3分