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「提案ー関係のデザインを、会議デザインシステムで」|モノ・モノ - Part 4

「提案ー関係のデザインを、会議デザインシステムで」

モノ・モノの前身となった「104会議室」について、秋岡芳夫が1971年にデザイン誌『工芸ニュース』に寄稿した原稿のアーカイブ。「デザイナーの提案活動の無駄を省くためにも、デザイナーの主催する会議室を持とう」という提案のもと、生産的な会議のあり方が詳細に検討されています。

文: 秋岡芳夫(工業デザイナー)

サロンの会話ー2.地域産業と流通パイプ

「このあいだ、竹製品のデザインのことで佐渡に行ってきたんだが、驚いたことに佐渡の土産品で売ってる佐渡名物と称する竹製品の約半分は別府製なんだよ。地元の竹のメーカーはそれを残念がってね、先生、デザインでなんとか佐渡土産ぐらいは佐渡ものでゆけるようにならんでしょうかと……でもね。別府に行って解ったんだが、いまや別府で売ってる別府特産と称する竹製品が、(佐渡に流しているのも含めて……)その40%が東南アジアからの輸入品なんだな。」
「それじゃ例によって別府の竹もメーカーも地元の問屋に泣かされてるんだろうな。」
「そうらしいね。多分、これは想像だけれど、別府の地元問屋は安い東南アジア物をどしどし入れてきて、おいお前達、これはいくらいくらだ。これと同じ値段でできるなら造ってもってこい。なんて、それほどひどくないにしても、それと似たようなことをやっているんじゃないかと思う。その証拠に別府の竹製品は日毎に悪くなっていく。」
「地元の商社は土地のメーカーを育てなきゃいかんのに。」
「いい物をつくればいまなら売れると思うのになあ。別府にはまだいい竹製品をつくるいい技術が残ってるんでしょう。」
「そりゃあるよ。」
「どうしていい物を造らせないんだろう。需要はあると思うがなあ。」
「駄目だろうね。別府の地元の問屋がかりにその気になったとしても、その問屋からつながっている流通のパイプの先端が悪いんだよ。スーパーの雑貨売場とかデパートの日用品売場とか、さっき話に出た佐渡の土産品売場とかのように、安いものしか売れない売場にしかパイプがつながっていないんだよ。」
「問屋には問屋の厳しい生活があってさ、そうそうデザインの先生が考えて下さるような結構な商売はできんのですよ。」
「売場には売場の家庭事情みたいなのがあるってわけか。」
「あすこには優秀な県の試験場がありましたね。いいデザイナーもいる。」
「ああ、宮崎君のいる産工試か。いくら産工試がデザインの指導をやっても、多分別府の竹製品は急には良くならんと思うね、僕は。産工試が業界指導をやるんなら、とりあえず流通改革指導だと思うよ。」
「そうでしょうね。私も別府は見てるけれど、あすこでの新しい製品は、新しい問屋を造って、まったく新しい流通パイプを創って、新しい売場で売る計画をたてなけりゃ駄目でしょうね。」
「それは別府に限ったことじゃない。日本中の地域産業全部がかかえこんでる問題だよ。」
「それじゃ、そんな流通のいいパイプができるまでは、デザインはやっても無駄というわけだ。」
「その通りだと思う。」
「僕が佐渡にデザインの指導に行ってきたけど、結局役に立たずじまいさ。」
「地元の問屋が同じ地元のメーカーのことを親身に考えないのも、土産屋が安けりゃ安いほどいいんだと東南アジア物をどんどん売って地元の竹屋を泣かせているのも、デパート気のない売り方をしているのも、流通屋のグループエゴイズムのなせるわざか!」
「そこでね、あのう僕はデザイナーですけれど、ここ数年わざとデザインを離れて、いいデザインの物がうまく流通する流通パイプづくりと、いいものが売れるいい売場を創ることに熱中してきたわけですよ。そのパイプを、僕が納得のゆく流通パイプを自分で造り上げるまではデザインはしないと誓ったんですよ。」
「なるほど。」
「そしてね。ダンスクという商社がありますね。いま日本にも進出してきて、どんどんほんとにいい物を売ってるでしょう。ああいう売り方をね、売る方法をね新しくデザインしなきゃいけないと思うんですよ。あすこでね、ダンスクが売ってるのはローソクやスプーンや胡椒挽じゃないんですよ。生活をね、楽しい生活を売ってるんですよ。だから高く売れるんですよ。」
「その君のいういい流通パイプといい販売システムを早いとこ造れよ。応援するから。そしてさ、一緒に佐渡へも行こう。」
「一緒に行きましょう。別府にもまた行きませんか。」

日本の企業の生産拡大競争は、小さな島に高層ビルを林立させるようなものだ。お互に日蔭になりたくないからどんどんビルを高くする。高くなりすぎたビルの中には上下にだけうごくエレベーターをとりつける。隣の建物との交通はいっさい考えていない。ニューヨークの街を見ならっているらしい。
日本の企業の生産拡大競争は、小さな島に高層ビルを林立させるようなものだ。お互に日蔭になりたくないからどんどんビルを高くする。高くなりすぎたビルの中には上下にだけうごくエレベーターをとりつける。隣の建物との交通はいっさい考えていない。ニューヨークの街を見ならっているらしい。

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