グリーンウッドワークとは、みずみずしい生木を手工具で削って作るアナログな木工。器から椅子までグリーンウッドワークの技法で作ることができますが、中でも人気が高いのがスプーンづくり。世界最大の祭典であるイギリスの「スプーンフェス」を筆頭に、アメリカ、スウェーデン、オーストラリアなど、世界中で生木のスプーンづくりがブームになっています。
日本でも2008年にグリーンウッドワーク協会が設立され、愛好者が急増。2017年には岐阜県立森林文化アカデミーで国内初のイベント「さじフェス2017」が開催。2年後の2019年4月には「さじフェス2019」が開催されました。内容は野外音楽フェスのようにテントを持ち込み、2泊3日で心ゆくまでスプーンづくりを楽しむというもの。そのイベントの模様をさじフェス実行委員長の久津輪雅さんにレポートしていただきます。
講師からのメッセージ
「さじフェス」には、いろんな思いが込められています。
「もっと木工を楽しもう」。木工というと、音がうるさかったり、機械が危なかったりして、普通の人が気軽に楽しめるものではありませんでした。でも斧やナイフで削るだけのグリーンウッドワークは、みんなが始められるのです。
「もっと身近な森や木に親しもう」。会場には、学生や地域の森林組合の協力も得て7種類の木を用意し、それぞれの木の個性を比べながら削ってもらいました。ものを作ることで、身近な森への関心も生まれます。
「日本の木の文化を再発見しよう」。日本では昔から木の杓子や匙を毎日の暮らしに使ってきました。今はたくさんの木工家が使いやすい木のスプーンを作っています。全国の一流の木工家たちを講師に招き、日本の手道具を使ったスプーンづくりを指導してもらいました。
会場にはプロのグリーンウッドワーカーが手がけた美しいスプーンもたくさんお持ちします。イベントの雰囲気が伝わるように豊富なスライド写真や動画も用意します。趣味として気軽に木工をはじめたい人、身近な森や木の利活用に興味がある人、グリーンウッドワークを活用したイベント運営に興味がある人、ぜひ聞きにきてください。
なお、報告会の開催前(14:00〜16:00)には、岐阜県立森林文化アカデミーの学校説明会「森と木の仕事セミナー」を開催します。森や木に関わる仕事を始めたい、地方への移住に関心がある、アカデミーで学んでみたいという人は、こちらもぜひご参加ください。
「森と木の仕事セミナー」のお申込みは、岐阜県立森林文化アカデミーのウェブサイトで。
講師プロフィール
久津輪 雅(くつわ・まさし)
岐阜県立森林文化アカデミー准教授
1967年生まれ・福岡県出身。筑波大学国際関係学類卒業後、NHK入社。ディレクターとしてクローズアップ現代やNHKスペシャルなどの番組制作を担当。30代で木工の仕事に転身し、飛騨高山で修行後、イギリスで家具職人として働く。帰国後、林業、森林環境教育、木造建築、木工など、森や木について豊かに学べるユニークな専門学校、森林文化アカデミーに勤務。かつてイギリスで身につけた、生の木を人力の道具で割ったり削ったりして木工品を作る「グリーンウッドワーク」を日本で初めて教育に導入。プロ向けや一般向けのグリーンウッドワーク講座を開いたり、誰にでも使いやすい道具を開発したり、海外の木工家たちと交流したりと、幅広い活動を行っている。2019年8月、学研プラス社より日本初のハウツー本『グリーンウッドワーク』を出版予定。
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