グリーンウッドワークとは、みずみずしい生木を手工具で削って作る木工のこと。中でも人気なのがスプーンづくり。直径10センチほどの丸太をオノで割り、ナイフで削ってスプーンを作ります。このブームの火付け役となったのが「スプーンフェス」です。これはイギリス・ピークディストリクト国立公園で毎年8月に開催されている木工の野外祭典。参加者は各々テントを持ち込み、世界の一流グリーンウッドワーカーによるワークショップを泊まり込みで体験するというものです。北欧、アメリカにも広がっている木工の新しいムーブメントを、岐阜県立森林文化アカデミーの久津輪雅先生にレポートしていただきます。
講師からのメッセージ
スプーンフェスに参加して驚いたのは、まずアマチュアの人たちもびっくりするほど技術レベルが高いこと。プロと言ってもいいぐらい上手です。さらに、若い女性たちが斧の使い方をオジサンたちに教えたり、子どもだけを教えるナイフワーク教室があったり、指導者の層も厚いのです。「さすが今年7回目を数えるスプーンフェス、すごい!」と思いました。
このムーブメントを日本にも伝えたいと、2017年に勤務先の岐阜県立森林文化アカデミーで、「さじフェス2017」を主催しました。そんなこともあり、運営者の視点でも、スプーンフェスを見てきました。「なるほど!おもしろい!」と思えるポイントがたくさんあります。そんなお話もしようと思います。東京の会場には、スプーフェスで購入したり、プレゼントされたりした世界の作り手のスプーンの実物をたくさん持っていきます。写真や動画もたっぷり用意して、会場の皆さんに現地の熱気をお伝えします。
講師プロフィール
久津輪 雅(くつわ・まさし)
岐阜県立森林文化アカデミー准教授
1967年福岡県生まれ。筑波大学国際関係学類卒業後、NHK入社。ディレクターとしてクローズアップ現代やNHKスペシャルなどの番組制作を担当。30代で木工の仕事に転身し、飛騨高山で修行後、イギリスで家具職人として働く。帰国後、林業、森林環境教育、木造建築、木工など、森や木について豊かに学べるユニークな専門学校、森林文化アカデミーに勤務。かつてイギリスで身につけた、生の木を人力の道具で割ったり削ったりして木工品を作る「グリーンウッドワーク」を日本で初めて教育に導入。プロ向けや一般向けのグリーンウッドワーク講座を開いたり、誰にでも使いやすい道具を開発したり、海外の木工家たちと交流したりと、幅広い活動を行っている。
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