書籍詳細
『杉でつくる家具』とは、1953年に発行された『アイディアを生かした家庭の工作』から木製家具24作品をピックアップし、現代の視点でリメイクしたDIY書籍。図面作成を手がけたのは、KAKデザイングループの工業デザイナーたち(秋岡芳夫・河潤之介・金子至)。ホームセンターも電動工具もなかった時代に、ノコギリと建築材(貫板やベニヤ板)を駆使し、ミニマルで機能的なDIY家具を提案。原著出版当時は、KAKによる日曜大工の講座がテレビや婦人雑誌で企画されるなど、主婦を中心に好評を博した。
編者:グループ モノ・モノ
発行所:株式会社グラフィック社
定価:2,500円(税別)
判型・ページ数:B5ワイド判・184ページ
発行日:
2019年3月中旬
I
SBN-13: 978-4-7661-3119-2
編者紹介
グループ モノ・モノ
KAKデザイングループの中心人物である秋岡芳夫が1970年に結成したプロジェクトチーム。拠点は東京・中野にあるモノ・モノ。この指止まれ式の自由な組織で、手仕事の復興や地域活性に関わる活動を行ってきた。今回は『家庭の工作』のリニューアル版を制作するにあたり、菅村大全(企画)、大沼勇樹(家具製作)、笠原嘉人(テキスト監修)の3名を中心とするチームが結成された。
原著者紹介
KAKデザイングループ
秋岡芳夫(1920-1997)、河潤之介(1919-2013)金子至(1920-2013)、の3人によって、1953年に設立された工業デザイン事務所。KAKは3人の名前の頭文字にちなむ。メンバー全員が代表取締役というフラットな組織で、それぞれの持ち味を生かしながら、個性的な工業製品を生み出した。また、3人ともデザイナーでありながら木工にも精通しており、『家庭の工作』発表後は、日曜大工に関する雑誌連載やテレビ出演が相次いだ。3人がKAKを離れた後は、所員が会社を引き継ぎ、1990年代まで活動は続いた。
目次
- 家具だけにとどまらない、とてもユニークな『アイディアを生かした家庭の工作』 (降旗千賀子・目黒区美術館学芸員)
- KAKデザイングループについて (臼井新太郎・ブックデデザイナー)
- いまなぜ『家庭の工作』か (伊藤暁・建築家)
- 『杉でつくる家具』から考える、これからの暮らし(若杉浩一・プロダクトデザイナー)
- 本書で使用する工具/塗料・材料について/工具の使い方/用語解説/構造解説
1章 椅子
筋交いが効いた2WAYスツール/挟み脚の丈夫なスツール/V字脚の背もたれ付き小椅子/三角構造のガーデンチェア/組み接ぎで作る箱型ベンチ/離乳食に便利な挟み脚のベビーチェア/V字脚のガーデンベンチ/薄い杉板だけで作る丈夫な縁台/V字脚のアームチェア/ベニヤ板で補強したローチェア
2章 テーブル
ベニヤ板で作る挟み脚のちゃぶ台/挟み脚のサイドテーブル/V字脚のガーデンテーブル/ベニヤ板を使ったV字脚のティテーブル/ベニヤ板を上手に使った本棚兼テーブル/厚い杉板で作る引き出し付きの文机/挟み脚のスリムなダイニングテーブル/軽くて美しいV字脚の作業馬 /高さを3段階に変えられるテーブル
3章 収納家具
しっかりと積み重ねられる本棚/麻ヒモを張った軽快な飾り棚/スリムなコレクション収納箱/すっきりと収納できる傘立て/通気性のよいシューズラック