講師の十時啓悦先生は、木漆工芸家として活動されながら、武蔵野美術大学・工業工芸デザイン学科で学生の指導にあたり、日本文化財漆協会常任理事として海外の漆についての調査もされています。セミナーでは西川栄明さんが聞き手となり、十時さんにものづくりの考え方、独特の風合いを醸し出している錆絵椀などの手法や作品解説、漆の魅力、東南アジアなどの海外の漆事情、また美術大学の現状や卒業生の進路などについても語っていただきます。会場では、十時先生の作品も展示、西川さんの著書の販売も行います。セミナー終了後は希望者による懇親会も開催予定です。また、西川さんの著作も販売いたします。
講師プロフィール
十時啓悦(ととき・あきよし)
木漆工芸家、武蔵野美術大学工芸工業デザイン科主任教授、日本文化財漆協会常任理事、『木のものづくり探訪 関東の木工家20人の仕事』掲載作家の一人
1950年、大阪府生まれ。武蔵野美術大学造形学部(インテリアコース)卒業。東京芸術大学大学院漆芸専攻修了。学生時代、漆芸家・野田行作氏の工房で修業。77、81年、日本クラフト展優秀賞受賞。第26回日本伝統工芸新作展奨励賞受賞。91年、日本橋三越美術画廊にて個展開催(以降、5回開催)。95年、白洲正子邸の家具制作。2002年、青梅クラフト館設立。共著書に『漆塗りの技法書』(誠文堂新光社)など。
西川栄明(にしかわ・たかあき)
『木のものづくり探訪 関東の木工家20人の仕事』(創元社)著者、編集者、椅子研究者
椅子や家具をはじめ、森林や木材から木工芸や木育に至るまで、「木」に関するテーマを中心に執筆編集活動を行う。主な著書に、『この椅子が一番!』『増補改訂 一生つきあえる木の家具と器 関西の木工家28人の工房から』『木の匠たち 信州の木工家25人の工房から』『手づくりする木の器』(以上、誠文堂新光社)、『日本の森と木の職人』(ダイヤモンド社)『樹木と木材の図鑑―日本の有用種101』(創元社)など。共著に『Yチェアの秘密』『ウィンザーチェア大全』『漆塗りの技法書』(以上、誠文堂新光社)、『木育の本』(北海道新聞社)など。
『木のものづくり探訪 関東の木工家20人の仕事』
西川栄明[著] 渡部健五[写真]
発行:創元社(2017年11月刊行) 定価:本体2,400円+税
(1)木工家20名を掲載
関東地方(東京、神奈川、栃木、茨城、群馬、山梨など)に在住する木工家、木漆工芸家、家具修復家、木象嵌作家などの、作品への思い、人となり、ものづくりへの考え方、愛用の道具などを紹介。
(2)様々な木の作品を掲載
ナラやケヤキの椅子、腰にフィットする椅子、ハイバックチェア、スツール、テーブル、西洋の伝統的な家具、厨子、樹の鞄、挽き物の拭き漆仕上げの器、指物の小箱、刳り物の色漆仕上げの器、クルミのボウル、寄木細工の器、錆絵椀形鉢、木象嵌、カトラリーなど多数紹介。
(3)掲載写真約300点
代表作をはじめとする数々の作品、木工家たちが仕事に取り組む姿、工房の様子、愛用の道具などの写真を約300点掲載(撮影:渡部健五)。
本書に登場する「木の作り手」(五十音順)
安藤和夫(厨子、家具)、五十嵐誠(指物〔箱〕)、伊藤洋平(家具)、任性珍(木漆工芸〔挽き物〕)、亀井勇樹(樹の鞄)、工藤茂喜(木漆工芸〔箱、器〕)、黒瀧道信(伝統的な西洋家具、修復)、坂本茂(椅子)、杉村徹(器、台、スツール)、傍島浩美(家具)、田澤祐介(器、箱)、露木清高(寄木細工)、十時啓悦(木漆工芸)、富田文隆(家具)、野崎健一(家具)、蓮尾知子(木象嵌)、羽生野亜(器、棚)、前田充(カトラリー、器、家具)、松崎修(木漆工芸〔刳り物〕)、吉野崇裕(椅子)
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