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新刊『ゴッホの椅子』資料展示と講演会を開催します
2016年6月に誠文堂新光社から発売された『ゴッホの椅子——人間国宝・黒田辰秋が愛した椅子。その魅力や歴史、作り方に迫る』の出版を記念して、6月30日(木)から7月5日(火)まで、ゴッホの椅子の関連資料の展示と講演会を行います。
ゴッホの椅子とは…
スペイン・アンダルシア地方に伝わる民藝椅子。木材を生のまま、機械を使わずに一気に削り、接着剤も釘も使わずに組み立てるのが特徴で、庶民の間で広く使われてきたものです。いまから50年以上前にスペインを訪れた日本の民藝運動の作家によって見出され、民藝関係者の間でも人気を博しました。画家のフィンセント・ファン・ゴッホが描いた椅子の絵に似ていることから、日本では「ゴッホの椅子」の愛称で呼ばれています。なかでも木工芸の人間国宝・黒田辰秋はゴッホの椅子に深く魅了されたひとりで、その調査のためにスペインまで赴いたこともあるほどです。
書籍の内容
黒田辰秋がスペインを訪れた時の貴重な写真や、黒田自身が取り組んだ黒澤明の椅子や皇居の椅子の制作記録写真を多数掲載。さらに松本民藝家具の池田素民氏などの民藝関係者や、西洋民芸店・グランピエの岡田夫妻、建築家の中村好文氏など、ゴッホの椅子を愛してやまない人たちへのインタビュー記事も収録されています。
後半では、著者の専門分野であるグリーンウッドワークの技術を生かし、機械を使わず生木からゴッホの椅子を作る方法もくわしく紹介。民藝ファンはもちろん、木工愛好家や家具作りに興味のある方にも大変読み応えのある内容となっています。
著者プロフィール
久津輪 雅(くつわ・まさし)/岐阜県立森林文化アカデミー准教授
1967年福岡県生まれ。筑波大学国際関係学類卒業後、NHK入社。ディレクターとしてクローズアップ現代やNHKスペシャルなどの番組制作を担当。30代で木工の仕事に転身し、飛騨高山で修行後、イギリスで家具職人として働く。帰国後、林業、森林環境教育、木造建築、木工など、森や木について豊かに学べるユニークな専門学校、森林文化アカデミーに勤務。かつてイギリスで身につけた、生の木を人力の道具で割ったり削ったりして木工品を作る「グリーンウッドワーク」を日本で初めて教育に導入。プロ向けや一般向けのグリーンウッドワーク講座を開いたり、誰にでも使いやすい道具を開発したり、海外の木工家たちと交流したりと、幅広い活動を行っている。
会期
日時:6月30日(木)-7月5日(火)
開場時間:11:00-18:00(初日は12時から、最終日は17時まで)
入場料:無料
著者講演
日時:7月2日(土) 16:30-18:00
会費:500円(税込)
定員:20名(予約制)
※ページ下の申込みフォームよりご予約をお願いします。
※終了しました
展示資料
・河井寛次郎記念館収蔵のゴッホの椅子(約50年前にスペインで制作された実物)
・パネル展示(スペイン製の子ども椅子の分解パネル、約50年前のスペインの職人による椅子づくり、日本でのゴッホの椅子づくり講座、著者が約50年ぶりに訪れたスペインの現地の様子など)
・書籍展示(黒田辰秋、濱田庄司、池田三四郎、早川謙之輔、柿谷誠、中村好文氏らが執筆したゴッホの椅子関連の雑誌記事や書籍。著者がイギリスの雑誌Living Woods Magazineに連載したゴッホの椅子の記事など)
・映像資料(黒田辰秋が1967年に撮影したグラナダの椅子づくり記録映像)
販売商品
・ゴッホの椅子、ゴッホの子供椅子(グリーンウッドワーク指導員・加藤慎輔作) ※受注製作
・書籍 『ゴッホの椅子』、『はじめてのグリーンウッドワーク』など。
著者講演 お申し込みフォーム
※満席となりました。
キャンセル待ちをご希望の方は下記フォームからお申込ください。キャンセルが発生したら、先着順にメールでお知らせします。
※終了しました