お知らせ

2017.06

安比塗漆器 取り扱い開始のお知らせ

2017年6月5日(月)より、岩手県八幡平市安代(はちまんたいしあしろ)地区で作られた漆器、安比塗(あっぴぬり)の常設展示・販売をはじめます。

八幡平市安代地区を含む北東北一帯には、縄文時代から漆の木が多く自生し、日本有数の漆の産地として透明度・発色・硬度に優れた上質な生漆を産出しています。この恵まれた環境を生かして、古くから生活に根ざした漆器がつくられてきました。しかし、戦後生活様式の急速な変化により、漆器作りの伝統が一時途絶えました。

この地域の漆器文化を再興するため、1983年に安代町漆器センター(現・安代漆工技術センター)が開設されました。センターでは2年間の研修期間をもうけ、木地制作から下地、漆精製、塗り、加飾など、漆工に関する実践的な指導を行い、塗師を育成しています。漆芸家を目指す若手のアカデミーとして非常にまれな機関であり、理論的かつ実践的な指導法とその教育水準が高く評価されています。 また、修了生は安比塗をはじめ全国の産地で活躍するなど、漆産業全体に貢献しています。

若き担い手を育む安代漆工技術センターと連携し、漆器生産の中心的な役割を担っているのが「安比塗漆器工房」です。同工房では、安比塗の伝統を復興・継承するとともに、現代の生活に合ったうつわを新たに生み出し、温もりと丈夫さを併せ持つ漆器だけを「安比塗」と称し、日々技術の研鑽に励んでいます。

安比塗・塗りの様子

同工房で使用している上塗り漆は、すべて自社で精製した国産漆を使用しています。下地から上塗りまで、すべて漆だけを塗り重ね、その鮮やかな発色と堅牢さは、国産漆のよさを充分に生かしています。また、アフターサービスにも力を入れており、漆器のカケやキズの修理や、漆の塗り直しにも迅速な対応を心がけています。

モノ・モノは、このような産地の取り組みに共鳴し、常設販売をはじめることにしました。当初の取り扱い品は、椀9種、皿2種、鉢2種、丸型重箱2種など。都内の安比塗販売店としては随一の品揃えになっています。リーズナブルな値段で、シンプルかつ丈夫な漆器を探している方、ぜひ東京・中野のモノ・モノへお越しください。

安比塗漆器工房のホームページ安比塗の器